課題

このお客様は世界各地で、顧客資産の投資や投資相談を行っています。顧客との信頼関係が極めて重要であることに加えて、高い専門 性が求められる業務です。企業の文化は穏やかで、社内では良好な関係性が保たれています。
他方、専門性の高いプロフェッショナル人材が多いことの反面として、個人商品の集合体になってしまい、組織としてシナジーを生み出したり、後輩を育成したりする気風は強くありません。
そのためかねてより、現在の経営幹部の後を引き継ぐ次世代リーダー層の育成を全社的に急ぐニーズが健著になっていました。

ソリューション

このお客様にとっては世界が日々のビジネスのフィールドであり、リーダーシップ開発の対象となるのは、世界各国の拠点で、それぞれの事業を率いている多様なリーダーです。リーダーたちは母国語のほうが解りやすく、文化も異なります。これらのリーダーに対して、リーダーシップとは何かについて、誰にとっても説得力のある共通の考え方を提供し、これからすべきことの方向性を明確化し、個人のアクションを継続的にフォローするために「飛びぬけたリーダー」が選ばれました。
実施にあたっては世界各地の拠点で現地語による研修が行われました。さらに数年ごとに360度の再調査を繰り返し、毎回世界各国の講師がフォローアップ研修やコーチングを行って、一人一人の成長度合いを確認することになりました。同時に、次の能力開発目標設定が策定されます。

結果

現在の経営幹部が退陣する時期を念頭に置いた長いプロセスですが、これまでに2回の再アセスメントが行われました。その間に中途採用された経営層やシニアリーダーも、順次「飛びぬけたリーダー」研修に参加しています。システマティックなフォローアップを徹底したことは、目覚ましい効果を上げ始めています。「極めて優秀だがバラバラのプロフェッショナルの集まり」に過ぎなかったリーダーには、忙しい日々の中でも自身のリーダーシップを意識し、その影響力の大きさを自覚して、常にさらなる成長をめざそうとする風 土が根付いています。