若手や新人にはリーダーシップなんてまだ不要だと即断せずに、少し待ってください。不要かどうかは「リーダーシップとは何か」次第です。
この記事では言葉の意味合いを説明することが目的ではないので、詳しい説明は別の記事に譲ります。手短に言うと、弊社がリーダーシップと呼んでいるのは、自分や周囲の人のパフォーマンスを高めたり、チームや会社にポジティブな影響を与える言動のことです。
たとえば・・・
- 学習意欲の高さ
- 優れたコミュニケーション・スキルを有する
- 結果を出す意欲が強い
- 主体的である
- 行動力がある
- 組織の方向性を理解し、自分がすべきことにフォーカスする力
- 協力して協働を進める
- 問題を見つけて、解決する
- 問題を皆に伝える
- 困難な状況ではできないことよりも、できることに集中する
などなど。新人や若手にも必要な能力ばかりです。
さてタイトルで、アフターコロナには新人や若手のリーダーシップが不可欠になると申しました。もちろんビフォーコロナでもリーダーシップは必要でしたが、在宅勤務やリモートワークが部分的に定着することで、若手のリーダーシップの重要度が増しています。
それはなぜか。よく言われているように、上司と部下が離れて働くようになった今、上司には部下の仕事ぶりが見えにくくなっています。部下の業務がうまくいかない時、業務量が多すぎて、生産性が落ちている時、モチベーションが落ちている時、上司がタイミングよく声をかけて励ましたり、適切に業務量をやりくりすることが、かつてほどスムーズにはできなくなっています。
在宅勤務下でのこの状況は、部下からの的確で主体的な情報発信がなければ、改善ができません。部下だけが気づいている問題であり、上司の側からは見えにくいからです。互いの様子がよく見えないので、部下が情報発信せざるを得ないのですが、その時に重要な注意点があります。
以下、数例をあげてみます。
- 単に業務が増えるのが嫌なだけだと誤解されないように、うまく話すこと
- 上司やチームの状況を推測、把握して、相手の立場を理解したうえで話すこと
- 自分が困っていることに上司が気づいてくれまで待つのではなく、主体的に発言すること
- 上司やチームの状況を把握して、チームの役に立ちたいと考えていること
これらに失敗すればどうなるでしょう?姿が見えないところで仕事をしている上司には、「身勝手だ」「やる気がない」と誤解される危険性が高くなります。だから適切なレベルの能力が必要です。
しかも、ここにあげた数例が、前述のリーダーシップ行動の例と重なっていることにお気づきの方も多いはずです。ここにあげた項目は、優れたコミュニケーション力や、組織の方向性を理解することや、協力、協働や主体性、行動力を、別の言葉で表現しているだけです。
つまり、在宅勤務では上司だけの努力ではスムーズかつタイミングよく部下に対応してチームの業務を進めることができないため、部下もリーダーシップの発揮が不可欠です。リーダーシップを発揮することで部下も成長する機会を得たり、モチベーションが高まったり、上司による適切な評価を得やすくなるわけです。