人材開発の分野にも浮かんでは消える流行語があまた存在します。しっかりと定着すれば有意義な価値を生み出しただろう思うも言葉も多く、残念でもあります。
比較的近年の流行語の一つが「共感」だったことをふと思い出しました。この言葉はイノベーションを生み出す組織や高いパフォーマンスで知られるチームが備えている重要な特徴の一つとして注目されていました。
他者の喜びや痛みを自分のものとして感じられる、つまり共感できるからこそ、他者のニーズを満たすイノベーションや価値創造が可能になるという考え方は、多くの人にとって直感的に理解できるものです。
ただ、それを理屈として学んでも、現実のビジネスに役立つほどの成果を上げるまでには至らないのがその難しさです。「共感」の実現には、他者の立場を理解し心から思いやる真剣さが避けて通れないので、当たり前と言えば当たり前です。
長引くコロナ禍で多くの悲劇的な出来事が続く昨今、現場のニーズをくみ上げるために民間から生まれてくる多彩なサービスを見ていると、共感や献身がなければ、何も始まらなかったのだと日々感じます。