研修の中にはコーチングやフィードバックやチームビルディングのように、コミュニケーションや気遣いによる働きかけで、つながりを築き、他人のモチベーションやキャリア願望やポジティブな行動に影響力を及ぼそうとするものがあります。

一方で正確さ、論理性、情報分析を通して戦略立案をしたり、戦略的な思考の質を高めたり、問題解決をしたりなど、モノ・コトにフォーカスを向けるものがあります。

一般的に前者はEQ的なスキルに分類され、後者はIQ的と見なされます。そして全く別物として理解され、能力開発されます。でも実際には、EQスキルが重要な場面では、IQスキルがどうしても必要不可欠だということが少なくありません。

上司がどれほど部下の気持ちを気づかって動機づけしようとしても、上司の話に論理性が欠けていれば、説得力がないだろうことはすぐに想像がつくではありませんか。

人間の多様な能力は、一見、相互に無関係に見えます。そしてそれぞれ単独で発揮されているように見えるのですが、優れたパフォーマンスを出すにはどちらも不可欠であることもしばしばです。
複数の能力分野の相互作用を念頭に置いておくことが、能力強化の近道になりそうです。