世界は私たちが今得ている結果を得るように完璧に整えられている」という記事で少し触れた通り、人や制度やモノなど、私たちを取り巻く環境は私たちが想像するよりもはるかに大きな影響を私たちにもたらしています。これに関する社会的な実験や実践例はクスっと笑えるユーモラスなものも含めて、世界では数多く行われてきました。

人材開発や行動科学の分野も例外ではありません。研修受講者がより良い行動をしたり、改めるべき行動を改めるために、最大のインパクトを与える要因は何かが研究されてきました。その結果、最大の影響を及ぼすのは上司であるという結論が以前より導き出されています。(多くの研究者がこの結論を出しています。有名なところでは、Peterson, Cromwell, Kolbなどです。)

研修では、期待通りの行動をとってくれない人々だけでなく、その上司や関係者を念頭に置ことがとても重要です。
つい先日、あるリーディング・カンパニーが若手のワークスタイル改革を定着させるために、まずその上司を対象として念入りに研修することにしたという記事が掲載されていました。
遠回りするように見えて、実は問題の核心に切り込む人材開発戦略だと感じました。