四半世紀以上前に、同業の友人たちと時折話題にしたテーマがあります。
当時、国内外で出会う日本人以外の受講生は学習意欲がとても高く、「受講中の動機づけ」など心配無用という場合が多かったのです。
一方、日本人受講者は往々にしていかにも嫌々といった様子で、著しいコントラストでした。
その理由は、海外の企業研修が一般的に、「自分が期待され、さらに高い能力を獲得するためのポジティブな体験」であるのに対して、日本での研修は「自分の能力不足を指摘され、基準値に到達するよう求められるネガティブな体験」だからではないかと私たちは話していました。それが事実かどうかではなく、受講者がそう感じているのではないかと思ったのです。
つい先ごろの日本企業の研修で、長期の自分のキャリアを見すえて、今の仕事には不要だが、将来必要になる知識やスキルを習得しようとする、熱意あふれる中堅社員の皆さんにお会いし、ふと冒頭の記憶がよみがえりました。あれ?そういえば本当に長い期間、嫌々参加する集団に困った…なんて経験をしていません。研修が自分の成長を後押ししてくれるポジティブな経験だと認めてもらえているなら幸せです。