フィードバック、コーチング、1on1。それぞれ別の研修が必要なのだろうか?

部下へのフィードバックがうまくできていないので、フィードバック研修をする。

コーチングが必要なら、コーチング研修。
1on1を導入したら、今度は1on1研修。

それぞれ必要な知識や基本的な進め方を学ぶことには意味があります。

一方で、研修を重ねるうちに、
似たような内容が増えてきたと感じることはないでしょうか。

そもそも、これらはすべて別々の能力なのでしょうか。

初めてフィードバックをする人なら、
何をどのような順序で伝えるのかを知ることは役に立ちます。

1on1についてほとんど知らなければ、
その目的や基本的な進め方を理解する必要もあるでしょう。

「何をすればよいのか分からない」ことが問題なら、
まず基本を学ぶことには意味があります。

しかし、基本的な手順を知っていても、
実際の会話がうまくいかないことがあります。

たとえば、部下に改善してほしいことをフィードバックしたとします。

素直に受け入れる人もいれば、
「自分だけが悪いわけではない」と
反発する人もいます。

こちらの見方に納得しない人もいるでしょう。

表面上は「わかりました」と答えても、行動を変えない人もいます。

コーチングでも同じです。

問いかければ相手が考え始めるとは限りません。
話したがらないこともあれば、問題の捉え方そのものがこちらと違うこともあります。

現実の相手は、
こちらが学んだ会話の手順に合わせて反応してくれるわけではありません。

だから、手順を知るだけでは対応できない場面が出てきます。

フィードバック、コーチング、1on1では、それぞれ目的や場面に違いがあります。

しかし実際の会話では、共通して必要になる力も少なくありません。

相手がどう考えているのかを理解する。
自分との見方の違いを見つける。
必要なことを明確に伝える。
相手が反発したときには、その理由を考える。
意見が違っても、必要なところまで話し合う。

こうした力は、フィードバックのときだけ使うものではありません。

部下との育成面談でも、同僚との意見調整でも、
他部門との交渉でも、立場の違う相手との合意形成でも使います。

場面ごとの会話方法を増やすだけでなく、
さまざまな相手や状況に応用できる力を身につける、という考え方もあります。

一方で、研修の名前から少し離れて考えてみると、実際に困っているのは、

「自分の考えが相手に理解されない。納得してもらえない」
「相手に、必要な行動をとってもらえない」
「考えの違いがあり、協力して物事を進めるのが難しい」

といったことかもしれません。

そうであれば、必要なのは個別の会話手順を
もう一つ増やすことではないかもしれません。

さまざまな相手や状況に対応し、物事を前に進める力を身につければ、
フィードバック、コーチング、1on1という枠を越えて、
さまざまな仕事の場面に応用できます。

研修を「フィードバック」「コーチング」「1on1」という名前から考えるのではなく、
実際に何ができるようになってほしいのかから考える。

一見すると異なる場面でも、

相手を理解し、
違いを捉え、
必要な働きかけを考える

という点では、共通するものがあります。

その共通する考え方やスキルをしっかり身につけ、
さまざまな状況で使えるようにする。

それも、仕事で使えるコミュニケーション力を高める一つの方法です。