人は、目の前にあるすべての情報に
同じように注意を向けているわけではありません。

そのとき重要だと思うものに注意を向ければ、
ほかのものは意識に入りにくくなります。
仕事に集中すると周囲が見えなくなることがあるように、
何かを細かく考えることには、それなりの死角もあります。

ところで、マネジメントやリーダーシップなど、
研修で学んだことを実際の行動につなげることが重要なプログラムでは、
研修後に何をするのか、
アクションプランをつくることがあります。

「研修の最後に書くことになっているから、とりあえず書いている
という方もいらっしゃるでしょうか。

アクションプランをつくることには、
学んだことを行動につなげるうえで意味があります。

けれども、ここでは少し別の側面を考えてみます。

アクションプランを書き始めると、思考は次第に細部へ向かいます。

いつまでにやるのか。
何をするのか。
どのように実行するのか。
SMART Goalのような考え方を使って、
具体的な計画に落とし込むこともあるでしょう。

※SMART Goalは、目標を

Specific(具体的)、
Measurable(測定可能)、
Achievable/Actionable(達成可能/行動可能)、
Relevant/Realistic(適切/現実的)、
Time-bound(期限がある)

といった観点から具体化する考え方です。
用いられる英単語にはいくつかのバリエーションがあります。

これは必要な作業です。

ただ、細部を一生懸命考えているうちに、
最初に目指していた大きなゴールが意識から遠ざかってしまうことがあります。

何をするか。いつするか。何回するか。

一つひとつはよく考えられている。
それなのに、全部を実行した先が、
最初に行きたかった場所とは少し違っている。

優秀な人であっても、
目の前の具体的な課題に集中すればするほど、
こうしたことは起こり得ます。

だから、アクションプランの細部を十分に考えた後には、
もう一度、そもそもの目標に戻ってみることが役立ちます。

この計画を続けていけば、
自分が目指しているところに本当に近づいていくのか。

具体的な計画を立てることと、大きなゴールを見ること。
その両方を行き来することが大切です。

アクションプランは、
私たちをゴールまで連れていってくれることもあれば、
とても具体的で立派な放浪の旅に連れ出してくれることもあります。