傾聴は、ビジネスでも非常に重要なスキルです。

コーチングや部下との会話はもちろん、
重要な交渉の場面でも、
相手の話をどう聞くかが結果を左右することがあります。

職場のチームワークを高めたい、
ミーティングでもっと意見が出るようにしたい、
メンバーの意欲を引き出したい。
そんな課題について考えていると、
「もっと相手の話を聞くことが必要だ」という話になることも少なくありません。

もちろん、それは間違っていません。

ところが、あるリーダーシップ研修の参加者が取り組んだのは、少し違うことでした。

「自分の話を短くする」

という、とても小さな行動です。

この方は、自分の話を短くし、相手を理解するための時間を増やすようにしました。

すると、メンバーが考えるための「間」が生まれました。

質問やコメントが増え、そこから対話が生まれました。
さらに、それぞれが自分の理解度に応じて考え、
互いに質問し、
学び合うようになり、
以前よりもチームワークが強くなっていったそうです。

傾聴することと、自分の話を短くすること。

第三者から見れば、とても似た行動に見えるかもしれません。

しかし、本人の意識が向いている先はかなり違います。

「相手の話をもっとよく聞こう」と考えるのではなく、

「自分が話しすぎているのではないか」

と考えたわけです。

人材育成に携わっていると、
とても小さな何かに気づいていないことが、
その人のパフォーマンスや周囲との関係に大きな影響を与えている場面があります。

反対に、ほんの小さな行動を変えただけで、
思いがけないほど大きな変化が起こることもあります。

今回も、変えたのは「自分の話を短くする」という一つの行動でした。

しかし、その結果、

考える時間が生まれる。
質問が増える。
対話が増える。
自分たちで考えるようになる。
互いに学ぶようになる。

と、変化が周囲へ広がっていきました。

何もかも変えようとしたわけではありません。

ジグソーパズルの核心となる一つのピースが入ったことで、
その周囲のピースまで次々につながっていったような変化でした。

大きな成果を生み出すものが、いつも大きな行動とは限りません。